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女性社外取締役が見つからない理由と、候補者層の広げ方

「女性の社外取締役を探しているが、条件に合う人が見つからない」。取締役会事務局や人事のご担当者から、よく伺う悩みです。目標の期限が近づくなか、焦りを感じている企業も多いのではないでしょうか。

この記事では、公的な統計をもとに、女性社外取締役が見つかりにくい構造的な理由を整理します。そのうえで、候補者層を無理なく広げるための考え方と、具体的な手順を紹介します。

数字は2026年10月時点で確認できた公的資料・調査にもとづき、時点を明記しています。

数字で見る女性役員の現状

まず、女性役員がどこにいるのかを確認しましょう。結論は「社外役員に集中し、社内からの登用はまだ少ない」です。

指標 数値 時点・出典
プライム上場企業の役員に占める女性(執行役員等を含む) 17.7% 2025年7月末・内閣府
上場企業全体の役員に占める女性 14.0% 2025年7月末・内閣府
プライム上場企業の社外役員に占める女性 33.5% 2025年7月末・内閣府
プライム上場企業の社内役員に占める女性 5.3% 2025年7月末・内閣府
部長相当職に占める女性 9.2% 2025年10月・厚生労働省
課長相当職に占める女性 13.2% 2025年10月・厚生労働省

政府の第6次男女共同参画基本計画(2026年3月閣議決定)では、プライム上場企業の女性役員比率を2030年までに30%、上場企業全体で20%とする目標が掲げられています。目標と現状の差を、多くの企業が社外役員で埋めようとしているのが現状です。

経団連が2026年9月に公表した調査(2026年7月1日現在)でも、プライム市場上場企業全体で社外取締役に占める女性は39.3%、社内取締役では4.5%でした(経団連会員企業に限ると38.7%と4.4%)。社外と社内の差は、調査が変わっても同じ傾向です。

女性社外取締役が見つからない5つの理由

理由1:多くの企業が同じ層を同時に探している

東京証券取引所は2023年10月施行の上場規程改正で、プライム上場会社に対し、2025年を目途に女性役員を1名以上選任するよう努めること、2030年までに女性役員比率30%以上を目指すことを求めました。プライム市場の上場会社が一斉に同じ期限に向けて動いており、しかも登用の中心は社外役員です。結果として、経営経験のある女性の社外役員候補に依頼が集中しています。詳しくは女性役員比率30%目標の解説をご覧ください。

理由2:社内のパイプラインがまだ細い

役員候補の母集団となる管理職層で、女性はまだ少数です。厚生労働省の調査では、2025年10月時点で部長相当職に占める女性は9.2%、課長相当職は13.2%でした。プライム上場企業の社内役員に占める女性が5.3%(2025年7月末時点)にとどまるのも、この層の薄さが背景にあると考えられます。社外役員の候補となる「他社の経営経験者」も、同じ理由で限られています。

理由3:候補者像を狭く設定している

「上場企業の社長経験者」「著名な経営者」など、肩書で条件を決めると、該当者はごく少数になります。その少数に依頼が集中し、兼任数の多さから就任を断られることもあります。コーポレートガバナンス・コード(2026年7月改訂版)の解釈指針でも、他の上場会社の役員を兼任する場合はその数を合理的な範囲にとどめるべきとされています。

理由4:探すルートが限られている

役員の人脈や、弁護士・公認会計士など専門職のネットワークに頼るケースが多く見られます。内閣府の「女性リーダー人材バンク」の協力団体も、日本弁護士連合会(各弁護士会)と日本公認会計士協会です。法務・会計の専門家は心強い存在ですが、事業経営や技術の経験を求める場合は、別のルートも必要になります。

理由5:探し始めるのが遅い

社外取締役は株主総会で選任されるため、招集通知の準備に間に合うよう候補者を固める必要があります。総会が近づいてから探し始めると、候補者を比べる余裕がなくなります。逆算の考え方は社外取締役の選任スケジュールで解説しています。

候補者層の広げ方

候補者層を広げるカギは、「肩書」ではなく「経験」で要件を定義し直すことです。

コード原則4-13では、取締役会がジェンダーや国際性、経歴、年齢などを含む多様性を備えること、経営戦略に照らして必要なスキルを特定することが求められています。また、独立社外取締役には他社での経営経験を有する者を含めるべきとしています。ここでいう経営経験は、社長経験に限られるわけではないと考えられます。

従来の候補者像 広げた候補者像の例
上場企業の社長・会長経験者 事業部門・海外拠点の責任者、執行役員経験者
大手日本企業の出身者 外資系企業の日本法人の経営者、海外での経営経験者
法務・会計の専門家のみ 製造・技術、研究開発、サプライチェーン、人的資本、DXのリーダー
社外取締役のみを想定 社外監査役・監査等委員も含めて検討

具体的には、次の順で進めると整理しやすくなります。

  1. スキルマトリックスで取締役会の不足分野を特定する
  2. 不足分野ごとに「どんな経験があれば補えるか」を書き出す
  3. 必須条件と歓迎条件を分け、必須条件を最小限にする
  4. 社外取締役・社外監査役・監査等委員のどの立場が適しているかを検討する
  5. 人脈以外のルートも組み合わせて探す

たとえば「海外事業の知見」が不足しているなら、上場企業の社長経験までは必須でなくても、海外拠点の経営や現地パートナーとの交渉を担った経験で補える可能性があります。必須条件を絞るほど、候補者の母集団は大きくなります。

社外監査役や監査等委員として迎える選択肢もあります。それぞれの役割や要件の違いは社外監査役と監査等委員の違いで解説しています。

初めて役員に就く人を迎える工夫

候補者層を広げると、上場企業の役員は初めてという方も対象になります。その場合は、就任前後の準備を企業側でも支えることが大切です。

こうした準備があると、就任直後から議論に参加しやすくなります。法的な責任の範囲などは、弁護士など専門家にもご確認ください。

社内の女性リーダー育成も並行して進める

社外からの登用だけでは、取締役会の多様性は長続きしにくい面があります。内閣府の資料によると、2024年時点で女性役員の登用目標を設定し行動計画まで策定しているプライム上場企業は6.2%でした。第6次基本計画でも、目標と行動計画を策定する上場企業の割合を2030年までに30%とする目標が置かれています。管理職層の育成と、執行役員などへの登用の道筋を描くことが、将来の社内役員候補につながります。

まとめ

女性役員.comは、企業研修会社のマルニンベン株式会社が運営する、女性の社外取締役・社外監査役・監査等委員の紹介サービスです。スキルマトリックスから逆算して「どんな経験があれば補えるか」を整理し、グローバル・製造業・外資系の経営経験を持つ方を中心に候補者をご紹介します。研修会社として、初めて役員に就く方の就任準備プログラムもご用意しています。就任が決まるまで費用はかかりません(完全成功報酬)。候補者層の広げ方にお悩みの際は、無料相談をご利用ください。

出典

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